防火対象物点検

防火対象物定期点検報告制度とは?

防火対象物定期点検報告制度は、特定の用途や規模の建物(防火対象物)について、その防火管理が適切に行われているかを定期的に確認し、その結果を消防機関に報告することを義務付ける制度です。

誰が責任を負うのか?
この点検と報告の義務を負うのは、その建物の「管理について権原を有する者」(管理権原者)です。
一般的には、建物のオーナー様が該当しますが、建物全体を一括して管理している事業者様や、場合によっては大規模なテナント様なども含まれることがあります。

誰が点検を行うのか?
点検は誰でも行えるわけではありません。
消防法に基づき、専門的な知識と技術を持つと認められた「防火対象物点検資格者」に依頼して実施する必要があります。
資格者が、専門的な視点から建物の防火管理状況をチェックします。

主な点検項目(例)
資格者は、以下のような項目を中心に、防火管理が基準に適合しているかを点検します:

  • 防火管理者が選任され、消防署に届け出されているか。

  • 消防計画が作成され、届け出されているか。

  • 消火、通報、避難といった消防訓練が定期的に実施されているか。

  • 避難階段や廊下などに、避難の妨げになる物が置かれていないか。

  • 防火戸(防火扉)がいつでも確実に閉まる状態にあり、その機能を妨げる物が置かれていないか。

  • カーテン、じゅうたん等が、法律で定められた防炎性能基準を満たしたもの(防炎物品)を使用し、表示が付けられているか。

  • 消防法で設置が義務付けられている消防用設備等(消火器、自動火災報知設備など)が適切に設置・維持管理されているか。

これらの点検項目からも分かるように、この制度は物理的な設備だけでなく、日々の管理体制や訓練といった「ソフト面」の対策が適切に行われているかを重視しています。
火災安全は、設備と人の行動・管理体制が一体となって初めて確保されるという考え方に基づいているのです。